半月板損傷の原因
半月板損傷にはいくつかの原因が存在します。なぜ半月板が損傷してしまうのかその原因を解説します。
主な原因

半月板損傷の主な原因は2つあり、「スポーツによるもの」と「加齢によるもの」の2つがあります。ここからは2つの主な原因について解説していきます。
スポーツによるもの
半月板損傷が起こりやすい原因としてスポーツが挙げられます。半月板損傷は激しい力が加わることで起こりやすく、若い人でもプレーの最中に半月板を損傷するケースが見受けられます。
スポーツが原因の場合、半月板を損傷しやすいスポーツがいくつかあります。代表的なスポーツはサッカーです。サッカーはインサイドキックの際に半月板損傷を起こしやすいほか、空中に舞い上がったボールを競り合う際やボールを追いかける際などに損傷しやすいのが特徴です。
またボールをめがけてスライディングをする選手と交錯するなど踏ん張っていたところに別のところから力が加わって半月板を損傷することがあります。有名なサッカー選手も半月板損傷でシーズンを棒に振るなど、誰しもケガのリスクがあるスポーツと言えます。
バスケットボールも半月板損傷が起こりやすいスポーツです。コート自体は狭いものの、目まぐるしくボールは動き、その都度、方向転換をしていきます。空中に舞い上がったボールを奪い合うことも行うほか、体育館で行われやすいので衝撃が伝わりやすいのも特徴的です。
膝を捻じるような動きも生まれやすく、結果的にケガが起こりやすいとされています。バスケットボール選手が半月板を損傷すると「全治未定」と報道されやすく、ケガを負った際の影響が出やすいと言えます。
他にもバレーボールや野球、ラグビー、アメリカンフットボールなど激しい動きや捻った動作、タックルなどを必要とするスポーツでは半月板を損傷するリスクがあります。
痛みが生じる原因
半月板そのものには神経があるわけではないので、半月板が損傷したところでそれ自体が痛むわけではありません。半月板損傷で痛みが生じる原因として「筋収縮」と「炎症」が挙げられます。ここからは痛みが生じる2つの原因についてご紹介します。
筋収縮
半月板が損傷することで筋収縮が起こります。筋収縮とは、神経の刺激などによって筋肉が収縮する状態を指します。スポーツなどで強い衝撃が半月板にかかった場合、人間はとっさに膝を守ろうとします。膝を守ろうとした結果、急激に膝周りの筋肉が収縮を起こします。この筋収縮で痛みが生じるのです。
急激な筋収縮によって筋肉もその衝撃に耐えられず、筋肉が傷つく「筋損傷」が起こります。筋損傷に該当するケースでは肉離れや筋挫傷などがあり、数日後にやってくる筋肉痛もその1つです。
筋収縮の状態は血液の流れを悪くさせるため、結果として痛みや腫れを誘発します。筋損傷になると修復までにある程度の時間がかかり、重症だと2か月以上の治療期間を要するため、長い戦いになりやすいでしょう。
炎症
筋収縮が起こることで筋肉には相応のダメージがかかります。誰しも筋肉痛の経験がありますが、筋肉痛は筋線維などが傷つくことで起こります。当然、筋線維を修復しなければなりません。この時用いられるのが白血球などの血液成分です。
修復のためにたくさんの血液成分が集められますが、この集める過程において炎症が生じます。この炎症によってヒスタミンやセロトニンといった刺激物質が多く生産されます。この刺激物質が筋膜などを刺激し、その刺激を神経が感じ取って、脳に痛みを送ります。この時初めて「膝が痛い」と感じ取れます。
炎症は傷の修復の時に最初の刺激物質が出て、その後修復の過程で刺激物質が上乗せされ、炎症がより大きくなるというスパイラルがあります。こうして半月板損傷の痛みは生み出されるのです。
姿勢
変形性膝関節症のリスクを高めるのは姿勢の問題も大きいと言われています。姿勢が悪いと何かしらに負担が掛かりやすく、特に膝に負担がかかるような姿勢になれば、必要以上に負荷がかかるため、変形性膝関節症のリスクを高めることにつながります。
膝が悪い方の姿勢のケースでは、猫背になるケースと反り腰になるケースがあり、いずれも膝にとってはあまり良くない姿勢と言えます。例えば、反り腰の場合は腸腰筋の筋力が低下することで生じるため、内股、いわゆるX脚になりやすく、膝への影響が出やすくなるのです。
猫背のタイプはO脚を誘発し、膝を曲げたような形で歩き続ける状態を生み出してしまいます。そのため、変形性膝関節症を防ぐには姿勢を良くすること、そして、適度に筋トレを行って筋肉の衰えを防ぐことが大切です。
痛みのしくみ
半月板損傷の状態は半月板に亀裂が入っているため、文字だけを見れば相当な痛みが生じている印象を受けますが、実際は半月板自体の痛みではありません。
半月板損傷の際に筋収縮が起こり、筋収縮に伴う筋挫傷が起きて、その筋挫傷の治癒ために炎症が起きる、その炎症が痛みとなるというしくみが出来上がっています。
裏を返せば、半月板損傷の痛みを取り除くには元から断つことが大切です。この場合の「元から断つ」部分は半月板損傷を治すことです。半月板が損傷して関節がスムーズな動きにならず、それをかばうことで筋収縮が起こりやすくなります。
筋収縮と炎症はセットなので、筋収縮が起こった時点で炎症も起こり、痛みまですぐつながるでしょう。つまり、筋収縮を起こさせないことがとても重要です。関節の動きをスムーズにさせることもいいですが、やはり半月板損傷の治療を進めることが第一です。
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